映画 翔んで埼玉 感想(ネタバレ考察)普段考えないようにしている拡大思考の先には何があるのかと考えさせられる映画

舞台は、埼玉が虐げられた世界。
手形がないと、
都内に入ることも許されない。

主人公は、埼玉出身の身分を隠し、
権力の中枢に潜り込み、
埼玉解放のために奮闘する話。

今回は
普段考えないようにしている拡大思考の先には
何があるのかと考えさせられる映画
「翔んで埼玉」について。

とにかく、
インパクトが凄い。
安心して見ることができない。

最初は、宮殿のような、
学校での権力闘争の話かと思う。
衣装もベルばら?みたいな感じなのに、

身分がバレて逃避行のあたりでは、
スカウターみたいな道具で
埼玉県民を見つけ出すSF展開

かと思えば、埼玉、千葉、などの
関東一円がボロボロのあばら屋ばかりの
貧しい農村で何時代?という感じだし

かと思えば、
戦国時代のように馬に乗って
あれこれしてみたり

砂浜をバイクで爆走という、
難しいスタントを披露してみたり

かと思えば、
デコトラ使ったご当地自慢だったり、
ボーイズラブだったり、
サザエ型トランシーバーだったり、
ピーナツを鼻に詰め込まれそうになって
悶絶するGACKTだったり

とにかく、詰め込みすぎで
大混乱な話に仕上がっている。

事実、観た夜は悪夢にうなされた。

他にも細かいネタが
数百個存在するだろうから、
それを探したり、
語り合って楽しむこともできし、
それが正しい、
この映画の見方なのかもしれない。

けれど、この映画の
根底にはもっと、
壮大で本質的な真実が隠されて
いる気がしてならない。

まず一番、観た人が
スルーする部分は、
きっと、
この映画は地名とは
全く関係ありませんという、
冒頭でのクギ指しではないだろうか。

関係ないと言っているけれど、
実際は、
そんなわけないだろ!という
ツッコミを前提にしている。

なので、ここで、
素直に関係ないと思ってみる。

そうすると、違った勢力図と言うか、
どこかでみたような図が
当てはまらなくもないような
気がしてきた。

ここからは、
完全に妄想なので、
そこんとこよろしく。

自分達が選ばれし者として
君臨し絶対的な権力を
ふるっている東京が、ドイツ。

東京と協力関係にあり、
蜜月の仲の神奈川県が、
ドイツの同盟国イタリア。

東京が闇手形で儲けた
金塊を隠していたの群馬県は、
ナチスの資産を保管していたと言われるスイス。

海があるというプライドがやたらと
高く描かれている千葉県が、
世界中の海を支配し
植民地を世界中に作ったイギリス。

何もないけど誇りはあるという
埼玉県は、自由を求めて
建国されたアメリカ。

歴史が示すように、
第二次世界大戦は、
連合国が勝利する。

それと同じように、
翔んで埼玉でも、
埼玉と千葉が勝利したように
描かれている。

勝利後に、
日本埼玉化計画が発動し、
数年後、計画は順調に進み
ほぼ達成される。

その例として
埼玉が一号店である
ファミリーマートは全国に展開
ショッピングモールも、
日本中に広がる。

埼玉県民は、東京に大量に進出し、
秘密結社?のような組織を作り、
次の計画が発表されて、
映画は終わる。

その計画は、
世界埼玉化計画。

このSF展開は、
単純に笑っていいのだろうかと、
ちょっと怖くなる部分があった。

壇ノ浦百美(二階堂ふみ)が、
サイタマラリアになる前、
麻実麗( GACKT )と二人で星を眺める。

そこで、色々な星があるから、
夜空はきれいみたいなことを
麻実麗 がいう。

確かに、多様性が
あるから素晴らしいし、
その多様性を、
それぞれの良さとして、
尊重しあえる社会も素晴らしい。

麻実麗 はそう語っていたのに、
権力を持つにつれて、
日本埼玉化を推し進めるという
矛盾がある。

きっとアメリカという国も、
建国当初は、 麻実麗と同じように
語っていたんじゃなかろうか。

それが、アメリカが主導する、
政治、経済、文化の輸出に
成功すると、もっともっとと、
拡大が止まらなくなっていく。

麻実麗を中心とする、
秘密結社しらこばと愛護会は
世界埼玉化を推し進める
計画を発表したが、

世界が埼玉化したら
次はどうするのだろうか?

そこまで見越して、
原作者は、
飛んででもなく、
跳んででもなく、
翔んで埼玉という
タイトルをつけたのかもしれない。

今後の世界も、
いろいろな国が覇権を争い、
宇宙を目指すだろう。

宇宙を制覇するのは、
そう簡単じゃないだろうけれど、
もっともっとと、
たくさん求めていく思考を
突き詰めていくと、
宇宙に行かざるを得ないことを、
暗に伝えている気がする。

それを遠い夢として語ることもできるけれど、
自分は、 壇ノ浦百美と麻実麗が
焚き火の前で語ったような、

○○化というような、
均質的な方向とは逆の、
ひとつひとつの違った輝きの光が
美しい夜空を産み出すような、
多様性を尊重する社会が素晴らしいと思う。

そして、無理して翔ぶ必要のない、
足るを知るという精神が、
逆に、郷土の愛に繋がっていく
のではないだろうか。

埼玉ディス映画と銘打たれているけれど、
全然ディスりでもなんでもなくて、
何だかんだ、うれしい気持ちが
郷土愛と言える。

なにか、ひとつの価値観を
押し付けたくなったり、
押し付けられて、
苦しむようなことがあれば、
またこの映画を観て、

つきつめると翔ぶ必要が
出てくることを再確認して、
地に足をつけて、
郷土で暮らしていこうと思う。

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