映画 疑惑 感想(ネタバレ考察)神のみぞ知る真実と法廷での真実の違いについて教えてくれた映画

舞台は、北陸。
前科のある女性が、
保険金殺人の疑いをかけられる中、
裁判で真実が明らかになっていくお話

今回は、
神のみぞ知る真実と法廷での真実の
違いについて教えてくれた映画
「疑惑」について

世間から毒婦思われている
鬼塚球磨子(桃井かおり)
の迫力と

主人公を弁護をする
佐原律子(岩下志麻)
の迫力があわさって

とにかく、すごい迫力に
なっているので、
それだけでも相当に
見ごたえがある。

そして、球磨子が
まぁふてぶてしい態度で、
いかにも保険金のために夫を
殺しそうな雰囲気が漂っている。

そして、その毒気にあてられ、
マスコミや、世間も、
勝手に犯人扱いする。

主人公も主人公で、
言わなきゃいいのに、
裁判で無駄口をたたいて、
裁判官からの印象は
悪くなるばかり。

そんな主人公を見て、
弁護士は、
本当に起こった真実と
法廷での真実の違いについて話をする。

裁判では、証人が話したことが、
真実として扱われるけれど、

実際は、
都合のよい部分だけ話したり、
嘘とまでは言わなくても、
微妙に違った言い回しを
してみたりしている。

観ている者も、
劇中に出てくる証人の発言に、
振り回される。

どんなに振り回されたとしても、
発言されたことのみが、
法廷での真実として採用される。

この映画は、
どんなに、主人公に疑惑があって、
ふてぶてしくて、
嫌な感じでも、

法廷で語られたことのみが
真実という事実が
ストレートに感じられた。

それくらい、主人公の
個性は強烈。

最後の方で、
弁護士が、主人公の経営する店に
やってくるのだが、

そこで、真っ白なスーツにわざと
ワインをドボドボとこぼすシーンは
心がざわめく。

そういう心を揺さぶるシーンが
この映画にはたくさんあるけれど、

それは、
法廷での真実という、
ロジックの世界では言い尽くせない

感情の世界が
人間の世の中には渦巻いている
ことを逆に浮き立たせている。

弁護士の佐原律子は、
裁判で見事に勝利するが、

私生活では、離婚し、
元夫の再婚相手には、
子どもともう会わないでくれと
お願いされてしまう。

それに加えて、
裁判に勝利しても、
毒婦を無罪にしたと、
抗議の電話が殺到・・

確かに、勝利はした。
したけれど、どこか満たされない感情も
感じられる作品になっている。

まさに、その心境が、
疑惑というタイトルに現れている
ように思う。

感情が揺さぶられ、
理不尽に感じるような境遇に
陥った時には、

裁判が語られたことのみが、
真実をして採用されるということを
思い出すために
また観てみようと思う。